ひとしれずこそ1章

3.5 手当て (R18)

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R18回です。読まなくてもストーリー上の問題はありません。

4 ウォークマン


 肇の強引な唇に、夏由は喘いだ。遠慮のない舌に翻弄される。苦しがって肇の胸を押し返すと、名残惜しそうに唇を舐めて、ようやく離れた。
「期待しなかったわけじゃないんだろう」
「身代わりにしていいの」
「お互い様だ」
 夏由は肇に縋り付いた。首筋に喰らいつかれ背筋が跳ねる。ワイシャツのボタンをはずされ、肌着代わりのTシャツを捲られた。突起を引っかかれ身体が震える。
 柔らかな横腹を食まれ息を付く。
 肇の手がベルトを解くが、期待に反して手は胸元へと引き返していく。
「は、やく、しろよ」
 焦れた夏由が膝を立て肇を刺激すると、肇は小さく呻いた。すでに硬度を増している感触に、夏由の内側が蠢く。
「あっ、こら」
 堪えるように眉を顰める肇を、夏由はさらに追いつめる。
 肇は低く声を漏らし、身体を震わせた。
「っぼえてろよ」
 肇は獣じみた目で夏由を見ると、夏由のスラックスを下着ごと下ろした。

「あ、あ」
 前を口に含まれ、後ろを指でほぐされると、夏由は堪えきれずに声を上げた。肇の唾液なのか、己のものなのかすでにわからないものでぬめりを帯びる。
「どっちが気持ちいい」
「あああ。そこで、喋る、な」
「おい、どっちだよ」
 肇の声帯の震えを直接感じて、夏由は子供が嫌々をするように首を振った。
「わかん、ない。あ」
 すっと抜けていく指を追って、夏由の内部が蠢く。弾けた夏由を舐め取るように舌を使った肇が離れる。寂しさと、それを上回る期待に肇を見上げた。
 Tシャツを脱ぐ動作に見惚れる。が、ハーフパンツのウエストに指をかけたのを見て、すっと顔をそらせた。
「こっち向けよ」
 低い声に命じられ、一拍の後に夏由は視線を肇に向けなおした。
 左肘を突いて上半身を少し持ち上げ、右手を伸ばす。夏由の指が肇の腹をなでた。屹立したその先端に、触れての良いものか迷い、手を引きかけて止まった。
 肇が夏由の腕を取り、向かい合わせに座らせた。二人分をまとめて夏由の手で握らせ、その上から肇の手が包み込む。一度達したらしい感触に、夏由は戸惑った。
 導かれるままに手を動かす夏由の耳に、肇の吐息が聞こえる。
 再び十分に硬度を増すと、夏由は肇に肩を押されて仰向けになった。肇の身支度を待つ僅かな時間が恥ずかしい。
「いい」
「うん」
 肇の余裕のなさが声からわかる。緊張に息を詰めてしまい、体が固くなる。
「息、ゆっくり吐けよ」
 脚を持ち上げられ、肇を押し当てられる。夏由の息づかいに併せて侵入してくるそれが、やがて最奥に納まった。
「動く」
 短く告げて、肇が腰を揺らした。
「あ、あ、」
 夏由は、自分の声に耳を疑った。その甘ったるさに、手の甲を噛む。
「だめ、聞かせて」
 両手をまとめて頭上へ上げられ押さえられる。
「ああ、だめ、っん」
 唇を噛むより早く、肇の唇が触れてくる。
 早くなる肇の動きに、夏由はついて行くのが精一杯だ。
「ああ、あ、や、そこ、おかしくなる」
 自分がなにを言っているのか理解できないまま、夏由の口から言葉が零れる。
「いいぜ、おかしくなっちまえよ」
「あああああ」
 長く叫び、夏由が精を放った。内部は肇を強く掴む。
「イく」
 一言呟いた肇が、夏由の身体をひときわ深く抉った。

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